実践編:テルを活用する

私がポーカーをプレイする時は相手を注意深く観察するようにしている。弱いハンドを持っている時はどんな風に振る舞っているか、強いハンドの時はどうか、どんなことを話すのか、座る姿勢はどうか、どこを見ているか、べットする時にチップをどう置くか、その他の傾向がないか。数年経つと、私は自分が思っていた以上に、平均的なプレイヤーのテルを読み取ることがとても上手くなっていた。そうは言っても決して私が全てのハンドにおいて「相手の心を読める」プレイヤーであるということではない。時々、一度のセッションで数回、相手の振る舞いから他のどのハンドよりもあるハンドの可能性を強く意識できる状況があるということだ。

いくつかのテルは無知、もしくは怠惰からくる。多くのプレイヤーは自分が注意深く観察されているということを知らず、結果として多くの情報を相手に与えてしまっている。ハンドが弱い時にはホールカードをじっと見つめているだろうし、明らかにフォールドする、コールする、あるいはべットするという意思を周りに見せてしまっているだろう。弱いハンドの時は間を空けずにコールしたり、ビッグハンドの時はすぐにべットするといった、べットタイミングのテルが目立ったろう。このような類のテルは、感情が関係しているというよりは、自らの行動パターンの”バランス”を取ろうとしない結果として現れる。

また他のテルは不安、興奮、気の緩みといった感情の動きによって現れる。多くのプレイヤーは、嘘をついている人がそうするように、ブラフする時に目線を下げる。また、不安から、全く動かなくなったり、静まり返ってしまう。他には、多くの人が強いハンドでべットする時に、安心感からこちらの目を見るようになる傾向もある。

相手の心が読めるわけでもなけれは、テルを読む方法を学ぶのは外国語を学ぶようなものたろう。それは、相手の”どこ”にテルが出るのか、”いつ”テルを探すべきなのかを学ぶことだ。また人間の身振り手振り、表情、セリフについてのカタログを頭の中に持ち、それらの情報を相手プレイヤーの行動と照らし合わせる方法を知ることとも言える。

テルを使った読みとは、今までに相手に対して行ってきた観察のようなものだと考えると良い。相手のべッティングパターンを読みの材料として重視してきたように、相手のテルを重視するということだ。もしテルを当てにすることがとても不安であるなら、テルを重視しないほうがいいだろう。しかし、もし相手をしばらく観察して、行動にパターンがあることを確信できたら、そのプレイヤーのテルはあなたの判断に大きなプラスになるだろう。

テルは、あなたが決断を下す際の唯一の根拠になるべきではない。たいていは、オンラインのようなテルがほとんどない場でプレイする時のように、あなたの思う最高の戦略に基づいてプレイすべきだ。あるケームはタフなものになり、テルがあなたの決断に影響を与えることはあまりないだろう。一方で、多くのテルを持つプレイヤーが何人かいるゲームにおいては、あなたのプレイは劇的に変わるだろう。

だが決してテルの虜になってはならない。テルを頼りにプレイするのは、そのテルが信頼に値するという確たる理由がある時だけだ。

テルを読むということは、ライブポーカーでの優位なプレイの一部でしかない。一方で、あなたにとって強力な武器のーつにはなり得る。私が思うに、テルを読むことが上手くなれば、10%~30%はウィンレートが向上する。また、もしあなたが熟練したプレイヤーとプレイしていて、かつあなた自身のテルを消す努力をしてこなかったとすれば、それだけでウィンレートは劇的に減少しているといっていい。もしハイステークスでプレイしていて、テルを読むことや、自分のテルを隠すことに長けていないとしたら、あなたは取り得る利益の期待値を最大まで高めることができていないということだ。

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