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政策事業

第7回政策マーケティングセミナー「コミュニティオーガナイズとクラウドファンディング」を開催しました

 MPIは11月25日(月)、第7回政策マーケティングセミナー「コミュニティオーガナイズとクラウドファンディング」を開催しました。ゲストスピーカーとしてハーバード・ケネディ・スクール出身の鎌田華乃子氏を迎え、地域のリーダーシップを育てる「コミュニティオーガナイジング」について、また自身が日本で行ったクラウドファンディングについて、実践経験をもとにお話し頂きました。

セミナーの様子

セミナーの様子

次回の政策マーケティング・セミナーは1月21日開催予定です。ファンドレイジングに関する内容を予定しています。初参加の方も大歓迎ですので、ご関心のある方は担当の吉澤(hajime0719yoshizawa[@]yahoo.co.jp)までご連絡ください。

■ゲストスピーカー:鎌田 華乃子氏
コミュニティ・オーガナイジング・ワークショップ2013実行委員会・発起人代表WEBPAGE: http://communityorganizing.jp/
ハーバード・ケネディ・スクール アッシュ・センター リサーチ・アソシエイト、Center for Popular Democracyフェローを経て2013年9月、日本に帰国。ハーバード大学で学び、ニューヨークで実践した「コミュニティーオーガナイジング」を日本に広めるべく活動中。
 
 
■第7回の主な内容

1. コミュニティオーガナイジングとは

・自分自身は、もともと「声なき市民の声が政治に届かないのはおかしい」という問題意識を身近に感じていたことから、コミュニティオーガナイズを広める活動に取り組むようになった。

・米国では1930年代から、従来白人中心社会の中で黒人、LGBTなど社会から取り残されている人たちを組織化して問題解決に取り組むかたちで広がっていった。現在では、米国のみならずアジアでは韓国、フィリピンにも広まっているほか、地域のリーダーシップを育てるという文脈で、国際開発においても使われている。

― 市民によるこうした活動が活発になるうえでは、定期的に人々が顔を合わせる場があることも重要。こうした観点からは、教会の存在も重要。

・コミュニティオーガナイズを効果的に進めるうえで重要なのは、「スノーフレーク・リーダーシップ」という考え方。一人のリーダーが物事を変えているように見えても、実際にはその周囲に様々なリーダーが「雪の結晶」のようにつながっていて、基盤をつくっている。コミュニティオーガナイザーは地域に置けるスノーフレーク・リーダーシップを育てる。逆によそからリーダーが来るだけでは、コミュニティの持続的な課題解決力を十分引き出すことは難しい。

・”Make the Road New York”の例。ニューヨークのブルックリンにおける、ヒスパニック中心の活動。高校生から労働者まで、幅広い参加がある(米国では、NPOでのインターンが高校の単位になることも寄与しており、興味深い)。扱う問題も教育格差から労働問題まで、様々。当事者の話し合いから、政治家との交渉まで行う。

・よりパワーの強い相手を、自分たちの持っているリソースや外部のステークホルダーを通じどうしたら変えることができるか、考えるのが戦略として重要。例えば、最低賃金以下で移民を雇うスーパーに対し、待遇改善を求めるために不買運動を行った。地域の家庭を一軒ずつオーガナイザーやメンバーが回ったり、ステッカーを配布するなどして、協力を得た。

・ニューヨーク市警のStop& Frisk問題の例。肌の色、宗教、LGBT、見た目で職務質問対象者が差別的に選ばれている。当事者である高校生らがキャンペーンを行ったほか、約80のNPOで連合をつくり、NPOで働く弁護士チームが中心となって、市警を監督する機関の設立を提案した。法案は二年がかりで、市議会で可決された。

・NPOによる課題設定は、基本的にはコミュニティのメンバーが中心になることが多い。このため、その地域の人々をどう巻き込んでいくかが重要になる。

・NPOが議員にとっても、市民の声を拾ってくれる貴重な存在となっている。また、NYでは申請すれば誰でも、市議会の前で記者会見ができるなど、公的な活動へのアクセスのし易さも見逃せないポイント。

・NPOの収入源は、主に助成金と寄付。米国では富裕層が財団を設立して公共のために資金を活用するという考え方が根強い点が特徴。

・こうした豊富な資金源を背景に、例えばコミュニティオーガナイザーも非常にcompetitiveな職種・キャリアとして認識されている。

・コミュニティオーガナイジングの5要素。
 1. パブリック・ナラティブ
  物語の力を使う。Story of self, Story of us, Story of now をつくって人の心を動かす
 2. 関係構築
  メンバー間の関係を1対1のMTGでつくる。
 3. チーム構築
  コアチームを強くすることで、組織が機能する。
 4. 戦略立案
  どうやったら自分たちのリソースで課題解決できるか考える。
 5. アクション
  戦略をアクションに移すため、やる気の出るリアクションを考える。
 
 
2. 日本でのクラウドファンディングの実践

クラウドファンディングサイト「Shooting Star」を利用して、ハーバード大学でコミュニティオーガナイジングを教えるガンツ教授を日本に招いて行うワークショップに向け、教科書の翻訳費用をファンディング。目標100万円に対し、185万円が集まった。

・今回成功した要因の一つとしては、米国で使われているテキストを翻訳して公開するという、①わかりやすさ、②公共性、といった要素が含まれていたことが指摘できる。

・ギフト設定の重要性。金額に応じて、ウェブサイトへの氏名掲載、教科書への氏名掲載、講演会への招待、ガンツ教授との特別ディナーなどを設定。結果、(当初一番支援者数が多いと見込まれていた)500円や5,000円ではなく教科書に氏名が載る15,000円の寄付者が最も多く集まった。

― さらに意外だったのは「Shooting Star」のアドバイスで設定した最高額50万円を、2人が寄付してくれたこと。

・スタートアップも重要。公開一週間前からFacebookで告知、ネットワークを持っているキーパーソンにも協力を依頼した。期間は30日間。あまり長いと息切れする。

・ファンディングは動画(1分半くらい、長くても2分)を入れると信頼性が格段に上がる。人が説明することで信頼を呼ぶ。
 
 
3. 今後の活動

・NPO法人として、コミュニティオーガナイジングを日本全国に広げる。既存の組織とも連携しつつ、実践を教えられる人を増やしたい。

・また、NPO活動やファンドレイジングを展開していくうえで非常に効果的なパブリック・ナラティブを広めるべく、参加者同士がストーリーを語るようなイベントも手掛けていきたい。

・なお、コミュニティオーガナイズについては12月16日、アカデミーヒルズにてガンツ教授の講演会を開催予定。

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