5月30日、MPI中国研究会「China Next」第6回「今、中国経済をどう見るか――日本の中小企業はどのように進出すべきか」を東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催いたしました。

講師は日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所 地域研究センター東アジア研究グループ研究員の丁可氏。南京大学卒業後に来日、名古屋大学大学院で博士号を取得(専攻は中小企業論)され、2005年にアジア経済研究所入所、研究交流課を経て現職でご活躍されています。
丁可氏には、「新興市場としての中国」、「中国中小企業の市場開拓」、「日本の中小企業はどのように進出すべきか」の三つのトピックについて、現場感に富んだお話をしていただきました。
グローバル経済の大きな構造変化の中、日本企業も相次いで新興国市場へと乗り出しており、新たな市場開拓が急務となっていることは中小企業も変わりません。なかでも注目を集める中国市場ですが、その特徴として丁可氏は、
・階層性(所得階層の幅が広く、ローエンドからハイエンドまで多様な市場がある)
・流動性(企業間関係がつねに変化しており、安定的な関係が築かれにくい)
・開放性(経営資源を外部から積極的に導入する傾向が強い)
の3点をあげられました。自らはマーケティングに注力しものづくりのコア経営資源を外部に依存する「空心化」や「垂直分裂」の傾向は、高度技術を強みとする日本企業に大きなチャンスをもたらしているようです。
中国の中小企業の事業展開において興味深い点の一つが、多種多様な企業が集積して市場プラットフォームを築く傾向です。集積することで日本の商社のような機能が生まれており、ここをハブとしてさまざまな取引関係が生まれています。こうした「商城」(市場ネットワーク)の形成は近年顕著に進展している中国企業のアフリカ進出においても見られるとのこと。
日本企業にとっては、知的財産保護や代金回収の困難さなど新興市場ならではの問題が参入のハードルともなっていますが、製品・技術の優位性をより積極的にアピールすることで強い立場をとり、地場ネットワークに食い込んでうまく活用していかなければならないと丁可氏は述べられました。
中国に進出している日本企業の製品販売先は現状7割が日本本社や現地の日系企業向けであり、いまだ多くの日本企業は中国を「生産拠点」としてのみ捉える傾向があるというご指摘もありました。「市場」としての中国で成果をあげていくためには、日本ブランドをより強く発信することに加えて、現地の企業により深く関わっていく姿勢が求められるようです。
質疑応答でも多数の質問・意見交換がなされ、非常に盛り上がった研究会となりました。講師および参加者の皆様にお礼申し上げます。
※講師・丁可氏のご厚意により当日使用した資料をご覧いただけます。
「今、中国経済をどう見るか――日本の中小企業はどのように進出すべきか」(PDF, 1.64MB)


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