3月22日、第4回China Next(中国研究会)「日本からみた中国、中国からみた日本」を国立オリンピック記念青少年総合センター(東京、代々木)にて開催いたしました。
講師は国際交流基金にてアジアとの文化・知的交流推進を担当している丁寧氏。シリーズ初の中国人講師ということで、ディスカッションは、非常に知的刺激に溢れたものとなりました。
満州(九一八)事変の舞台ともなった瀋陽(旧奉天)でお生まれになった丁寧さんは、日本語教育が非常に盛んだったこともあって、中学校から日本語を勉強されたといいます。また、その背景には周恩来氏が進めてきた対日政策の後押しもあったということで、改めて歴史のつながりを認識させられます。
次に、国際交流基金において、文化・知的分野で日中交流を進められているお話を通じ、近年の中国における日本研究が、環境問題や政治体制など「日本の過去から学ぶ」方向に進みつつあることを紹介していただきました。このセッションでは、初めて来日した中国高官のエピソードなどを聞きながら、(数値目標などでは測りにくい)文化交流の持つ外交インパクトなどについて改めて考える機会をいただきました。
さらに、日本の現状については、まず、秩序や治安の良さといった社会の成熟度や環境技術といった強みを紹介した後、若い人を中心に「内向き」になっているのではないか、という懸念が示されました。特に、中国人がリスクをとって前進しているのに対し、日本人は(リスクをとらないことがリスクだという認識がないまま)、リスクを回避しているように見える、もっと打って出るべきだ、との指摘は日本の将来を考える上でも、非常に重要な示唆となりました。
また、今後の日中関係のあり方を考える上で重要なポイントとしては、以下の3つを挙げられました。
- 2国間に横たわる問題(歴史認識など)について、正面から向かい合って解決の糸口を探るべき
- 日中(韓)の共通の課題(少子高齢化など)について、共に解決に向けて努力すべき
- 世界が直面する課題(環境問題など)について、解決策を一緒に考えるべき
領土問題や歴史問題など、その解決には長い時間がかかるであろう課題を抱える両国ですが、「共通の目標に向かって取り組むことで、困難を克服できる」という明確なメッセージには、参加者も大変勇気づけられました。
Q&Aセッションにおいて、丁寧氏は、「東アジア共同体の話になると、すぐに「主導権を握るのは日本か中国か」という議論になってしまうが、日本と中国は、もっとうまい協力の方法があるはず」だとして、両国民の気質などに触れながら、運転の例を引いて以下のように説明してくれました。
「中国人は運転席に座りたがる(経済力=体力がある)。一方、日本人は正確に地図を読むのが得意だ(道筋=過去の経験が豊富)。であれば、日本は、もっと進むべき方向性を示して中国と一緒にアジア・世界を牽引すればよいのではないか。そうすることで、お互いの強みを活かすことができる」
最後に、前回のChina Next開催時に中山氏が紹介した言葉について、「最近の中国人は「一人の中国人は竜だが、一人の日本人は虫だ。三人の中国人は虫だが、三人の日本人は竜だ」という言葉がありましたが、もしそうなら例えば「一人の日本人と二人の中国人がタッグを組む」ことでお互いの弱みを克服できるのではないでしょうか」とのコメントもいただきました。こうして、China Nextのディスカッションが回を経るにつれて深まっていくことも一つの醍醐味と言えるでしょう。
会場からは「中国の若者はよくも悪くも日本について考える機会が多いのに、日本の若者が中国に触れる機会がほとんどない」「殴られた方の記憶は鮮明でも、殴った方の記憶は風化するものだ」「日本と中国双方の戦争に関する考え方・前提を知ったとき、自分の中でどちらが正しいのか基準が分からなくなった」といった、考えさせられるコメントも相次ぎました。
次回は4/25日(日)夜の開催を予定しておりますので、みなさま奮ってご参加ください(詳細が決まり次第ご案内します)!


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