2月21日、MPI中国研究会第3回「中国ビジネス、現場からの報告」を国立オリンピック記念青少年総合センター(東京、代々木)にて開催いたしました。
講師は総合商社に勤務する中山竜一氏。中国の大学への留学と事業拠点での研修を経て、中国との硫黄売買ビジネスに従事しています。

硫黄といえば温泉が思い浮かびますが、肥料、タイヤ、衣料品などの原料になる物質です。昔は鉱山から採掘されていましたが、現在は石油の精製過程で発生する副産物として採取されています。ガソリンを燃やすとSOxガスというのが出て酸性雨の原因になる、という話を聞いたことがある人は多いと思いますが、あのSOxのSが硫黄。環境負荷を減らすためSを抽出するのだそうです。
日本は原油輸入大国であるため、精製所で多くの硫黄が生産され、海外に輸出されています。その最大の輸出先(なんと90%)が中国というわけです。農業大国でもある中国の硫黄需要は莫大なのだそうです。
驚愕したのがここ十数年の硫黄価格の推移。北京五輪後、資源バブル崩壊後のタイミングと同時に起こったバイオエタノールのブームによって数十倍にまで急騰しました。バイオエタノールの原料はトウモロコシなので肥料需要が急増したことによるもの。このとき中国では硫黄取引の投機家が無数に現れ、中山氏の会社にも買い注文が殺到したそうです。
この事態に対し、中国政府は国内の農家保護のため輸出関税を110%も課すという大胆な政策を機敏に実行。そのため程なく価格は急落し、もとの水準に戻ったのだとか。中国市場のダイナミズムを感じるエピソードでした。
その他、中国人との交渉の話や、現地企業の人材の傾向など、興味深い話が多々ありました。なお、中国人が最近しばしば使う言葉に、次の意味の言葉があるそうです。
「一人の中国人は竜だが、一人の日本人は虫だ。三人の中国人は虫だが、三人の日本人は竜だ」
単独だと中国人は日本人よりずっと強力だが、チームプレーとなると日本人にはかなわない、と言われるのだとか。あまりステレオタイプな見方をしてはいけませんが、中国人の中にはチームプレーへの課題認識が強まりつつあるようだ、とのお話でした。
中国ビジネスの現場の葛藤やおもしろさを感じたひと時でした。中山様、参加者の皆様、ありがとうございました。


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