大学時代についてお話下さい
教育心理学を専攻していました。箱庭実験やロールシャッハなどの技法を用いる臨床心理と、単純接触効果(サブリミナルとも呼ばれることもあります)などを扱う認知心理、2つの領域に渡って実験・研究を行いました。当初はカウンセラーを志望していましたが、より結果に拘り、かつ多くの人々に関わりたい、という思いから就職を決意しました
学業以外ではどんな活動をされていましたか?
1年生の冬に「もろ研修」という団体の立ち上げメンバーとなりました。活動内容は、社会人や官僚など社会の一線で働く人々に会いにいき、彼らから話を聞くこと。その中でも印象深かったのは、さまざまな教育の現場に赴き話を聞いたときのことです。教育の難しさを実感しましたね。小学校、進学塾、教育委員会、カウンセラー、フリースクール、不登校児の多く通う私立学校、文部科学省・・・さまざまな現場で頑張っている人はいるけれど、問題を総体として捉え、解決する人がいない、そう感じました。
2年生の終わりに大学初のオープンキャンパスを学生のみで企画します。受験生の大学に対する情報の無さや過剰な期待など、コミニケーションギャップを取り除くことが目的でした。各学部の教授に掛け合い模擬講義や大学案内を行った他、人集めのためにWEBサイトを作成しました。結果として、1年目から500人、次年度は800名超を集客しました。
3、4年生の夏には、日米の学生が一ヶ月間にわたり共同生活をおくりながらディスカッションを繰り広げる「日米学生会議」に参加しました。なによりも日本より外の世界を見て、生の意見を聞いてみたいと思ったからです。そこで出会ったあるアメリカ人学生の言葉はとても印象的でした。「keep smiling」。彼はこの言葉をポリシーにしていたのですが、そのことが全ての行動に現れていて、自分らしく生きるとはどういうことか、そしてそれがいかに大切なことか気づかされました。
それらの活動を通して得たものは何ですか?
大きく2つのことを得ました。一つ目は、場を作る力。立場、意見、思い、年齢、知識、さまざまに異なる人たちをまとめることは本当に大変な経験でしたが、そうしたさまざまな人が集うからこそ生まれるものの大事さを知りました。二つ目は、深く勉強する力です。これは授業が結構きつかったこともありますが、心理学という1つの学問について自分なりに気合を入れて勉強した経験からそう思うようになりました。
就職活動について伺いたいと思います。選んだ業界とその理由を教えてください
先ほどの話でも出ましたが、私は学業に加え、課外活動にも注力していました。非常に多忙だったため、選考を受ける企業をまず絞りました。具体的には外資系コンサルティングファームと総合商社が中心で、他には外資メーカーなどですね。
コンサルティング業界を受けた理由ですが、心理学を専攻していたこともあって、カウンセラーという問題発見の手助けをする役割に比し、よりダイレクトな問題解決を図る職業としてコンサルティングに興味を持つようになりました。その一方でまた、人・モノ・金を扱うのはどこの企業に行っても同じだと思ったので、それならより厳しい環境、具体的には複雑な経営課題に対峙するコンサルティングという職業が最も良いのではないかと思いました。
商社業界を受けたのは、ある総合商社でインターンシップを経験していたためです。そのため、仕事の様子と自分にとって何が出来るかが分かっていました。
最終的にどの業界に決められたのですか?その理由は?
コンサルティングファームと総合商社で悩み、コンサルティングファームであるA社に決めます。やはり全く知らない業界に飛び込んだほうが、自分としても成長すると思いました。ただ、理屈よりも直感で決めた部分が実際は大きいです。
では現在までのお仕事についてお話し下さい
最初に務めたA社では、コンサルティングとはどういうものか、そのポリシーやワークスタイルを身に着けることができたと思います。総合電機メーカーの知的財産戦略や電力会社の組織風土の診断・分析、さらには新卒採用も経験しました。A社でコンサルタントとして働く中で、自分がどんなところで一番価値を出せるかがなんとなく分かってきました。それは、ふわふわした未来を考える新規事業に関わる仕事。そして徐々に自分の尖った部分を試せる場所に行くべきなのではないかと思うようになります。 そして、今年の秋に転職をしました。
転職先はアニメなどのコンテンツに対して投資・プロデュースを行なっているS社で、現在ビジネス開発などのプロデューサーを務めています。クリエイター(制作者)がいくらがんばっても全うに評価してもらえないし、適正な見返りがないことが少なくない、そんな状況をいかにビジネスとして成立させながら変革していけるか、ということに挑戦しています。例えば、コンテンツ自体を財とみなして投資をすることで、クリエイターへの機会を提供しようとしていたりします。
では最後に。将来のビジョンをお聞かせください
人が働いていて幸せだと感じつつ、ビジネスとして利益を出せる、そんな企業や社会をどこかの立場からサポートしていきたい。そのためには、もっと自己成長しなければならないと思っています。例えば海外の大学でMPP/MPA/MBAなどの修士号を取ることも考えていますね。まずはそのまえにビジネスできっちりと成果を出していくことは勿論ですが。