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特定非営利活動法人MPI (2004年内閣府認証取得) |
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Interview育児休暇でキャリアを磨く:小室淑恵氏〔資生堂販売〕資生堂が販売し、既に80社以上の企業が導入したインターネットを活用した育児支援プログラム「wiwiw(ウィウィ)」。企画・開発したのは当時入社2年目だった小室淑恵さん。「育児休暇をキャリアブランクではなくブラッシュアップの期間にしたい」と語る次世代ビジネスリーダーに、育児関連ビジネスに求められる発想と視点、その先に見据える社会の未来像を聞きました。
育児休暇でキャリアを磨く―旧来の価値観を覆す新サービスを創造 ――育児支援ビジネスを志したきっかけは大学時代に遡る。 価値観が180度変わったのは猪口邦子さん(国際政治学者)の講演を聴いたことがきっかけでした。猪口さんは、仕事で成功していながら、女性としても素敵な方なんですね。それで、「両立ってできるんだな」と。むしろ、二者択一だと捉える見方は、一種の言い訳なんじゃないだろうかと。両立可能なことを、彼女の存在が実証しているわけですから。 ショックを受けた一方で、すごく希望が湧いてきました。女性であることはハンデではなく強みなのです。これから女性の社会進出がますます進めば、女性が欲しがる商品やサービスを提供できるかどうかが企業にとって大きな課題になる、それを創れるのは女性でしょう。だから、もっと努力しないと勿体無い、と。
昔は、育児をしながら大学や資格の教室に通うことは時間的にも物理的にも難しかったに違いありません。しかし、インターネットのある現代は、時間と場所を越えられる。それを活かせば、育児休業期間を、キャリアにとってブランクではなくブラッシュアップの期間にすることが可能なのです。 キャリア形成を長い目で見た場合も、育児休業を取得する概ね20代後半から30代前半の期間は、自分のそれまでのキャリアを見つめ直すのに良い時期です。現在の自分と目標にしている自分との距離を見つめて軌道修正する余裕もありますし、その間を埋めるための具体的なアクションを起こすことができます。 それを体現している女性にアメリカで出会って、こういう考え方を日本人も持てたら良いなと思いました。これまでの日本社会では、子育てをすると言えば、会社はその人がキャリアを諦めたのだと見做し、本人も「会社に申し訳ない」とか「同期に遅れを取ってしまう」と思ってきました。でも、それは変えられる。――これが私のテーマだ、と思ったのです。 ■女性の視点を活かす―「wiwiw(ウィウィ)」の誕生 もう一人のグランプリ受賞者は美容部員で、社内のキャリアとしてはいわば“本流”ではない人。固定化した枠の中にいない人だからこそ、新しいアイディアを生み出せる。そして、女性のマーケットが広がるにつれて、女性の発想は企業の大きな戦力になる。だから、そういう人たちが活き活きと働ける状態を創ることが、その人自身にとっても企業にとっても必要だと、この体験を通じて痛感しました。 ――受賞したビジネスモデルをもとに、育児休業支援プログラム「wiwiw(ウィウィ)」を立ち上げ。翌年には企業への展開を開始した。 追い風になったのは次世代育成法(次世代育成支援対策推進法、2003年7月公布。301人以上の労働者を雇用する事業主に育児環境整備の取り組みを義務付け)ができたことです。育児支援のプログラムを自社で一から開発するのは大変ですから、「wiwiw」を導入する企業が次々に現れました。
■女性にとって「学び」は「癒し」―コミュニティ形成とステップアップの感覚が重要 また、プログラムの利用者の間でコミュニティができるように設計しているんです。掲示板でアドバイスをし合うことで、育児や職場復帰に関わるノウハウが内部に蓄積されていく。利用者は、登録すればすぐに膨大なノウハウに触れることができる。こうした工夫やノウハウの蓄積は、一朝一夕にできるものではありません。育休者が常時300人ほどいる資生堂だからこそ可能なことで、それが参入障壁になっているのです。 ――育児休業中の女性が、ラーニングによってステップアップの感覚を得られることが重要だという。社会から立ち遅れていない、という安心感を得ることができる。 だから、学ぶことが必要になります。ラーニングの中身以上に、自分がステップアップしている感覚を得られることが重要。育休中の女性にとって、「学び」は「癒し」なのです。 それに、仕事に熱心な人ほど、優秀な人ほど、育児によって「失ったもの」を意識してしまいがちなのです。それを払拭しないと優秀な人ほど子どもを産めない社会になってしまう。育児と並行して学ぶことで、子どもの成長と共に自分も成長するんだ、という価値観を持ってほしいですね。
従来の家庭内分業には、女性の収入が不安定だから男性が収入を一手に担うという側面がありました。だから男性は家庭を顧みずに働いたり、過労も厭わず働いたり、嫌なことでも上司に抗うことができなかったり、夢を犠牲にしたり――、それは男性にとって非常に大きなプレッシャーになります。女性にとっても、男性に夢を追わせてあげられないとか、犠牲を強いてしまうことは、辛いことになりますよね。 だから、どちらもしっかり働けるような社会、どちらも夢を追うことができる社会にならなくては。女性がしっかりと雇用される社会にならなくてはいけません。そのために、まず会社を変えることが必要。そう考えて私は行動しています。 ――「こんな自分でありたい」「こんな社会であってほしい」に応えることが、ビジネスの本質であり成功条件に違いない。2004年には日経ウーマン・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた小室さん。高い理想を抱き、大きな成果を挙げつつ気負わず、しなやかに生きる。そこに新時代のビジネスリーダーの姿が見える――。 小室淑恵〔こむろ・よしえ〕氏 ※このインタビューは2005年4月に実施。肩書き等は当時のものです。 date: 2005.06.02 |
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