特定非営利活動法人MPI 
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さらなる飛躍をめざすMPI:平山真也(MPI創立者)

MPIの前身である「政策勉強会」が京都に設立されてから4年。京都・福岡の創立者世代が共に社会人となった今年、MPIは全国に3拠点(東京、京都、福岡)を持つ組織として、活動を更に活発化しています。MPIはこれからどこに向かうのか。創立者・平山真也(カート・サーモン・アソシエイツ アナリスト)に聞きました。

新時代を迎え、さらなる飛躍をめざすMPI
MPI創立者・平山真也インタビュー

■飛躍の土台を築く年―「自律的な組織」へ

――MPIは今年で5年目に入りましたが、これまでの4年間を振り返ると、随分発展しましたね。

そうですね。私が「政策勉強会」(MPIの前身)を立ち上げたのが99年の春、メンバーはわずか5人でした。いつの間にか人が集まってきて。いつの間にか組織になって。京都で始めたんですが、福岡にも「MPI福岡」ができて。今では社会人になったメンバーが東京で集まっている。拠点が三つになったわけです。登録している会員は全部で400人くらいになりましたし、活動の質も、着実に上がっています。確かに、発展しましたね。

――今年は福岡の創立者たちも社会人になり、平山さんは社会人3年目です。東京での活動も、本格的に。

ええ。京都・福岡で中心的に活動していた、とても力強い後輩が入ってきました。東京では毎月の定例会のほかにも、休日を利用して、総合戦略と言うか、これからMPIをどうしていくかという話を頻繁にしています。

――今回のインタビューはそれをお聞きするのが目的です(笑)。「新春インタビュー」みたいになりますが、今年はMPIにとって、どういう年になるとお考えですか。

飛躍の年、大きな飛躍のためのプラットホームを確立する年です。非常に重要な年だと考えています。
簡単に言えば、これまでのMPIは、基本的には、好きなことは何でもやる、というスタンスだったんです。興味を持ったことはとにかくがむしゃらに追求して。それが、最近ようやく一定の「形」が出来上がってきています。

単にがむしゃらに頑張るというだけではなくて、目標をにらんで活動をしっかりプランニングすることや、運営を組織的・効率的にすることができるようになりつつあります。それが悪い面に出るとマンネリを招いたりもするわけですが、良く言えば成熟してきた。一定の「形」を持つことは、そこで立ち止まればマンネリになりますが、足場がしっかりしているからこそ、新たなことにチャレンジできるとも言えます。そういう意味でも、今年は飛躍の年にしないといけません。

――その「飛躍」というのは、どういうことですか。

望ましい組織になることです。望ましい組織とは、MPIの場合、「自律性」のある組織です。自律的に考え、行動することができる組織。そこには必ず自律的な個人がいて、真のリーダーがいる。そういう組織こそが、新しいものを生み出していけるのです。それが我々の理念に言う「New Leaders」であり、「New Solutions」であり、自律的な人々によって生み出される新たな価値が、世の中に「New Beginning」をもたらす、というわけです。

MPIの活動が一定の「形」を持つことは、運営に四苦八苦するという状態から、運営をしっかりこなした上で、自分たちがしたいことをじっくり考え、主体的に行動していける段階に入ることを意味しています。ですから、学生の活動にはこれまで以上の自律性を期待していますし、社会人側には、勿論ですね。自律性が無ければ、社会人生活は悲惨なものになりますから(笑)。そういう、自律的な組織になるために、今、基盤を整備しているところです。

――具体的には、どんな施策を。

まず、今年1月から着手した施策として、MPI全体の連携、つまり京都・福岡・東京(社会人)の連携体制を築くことがあります。いわゆる「委員会体制」で、全体として統一的に行なった方が良いと思われる事柄について、3拠点横断的に委員会を編成するものです。物理的な距離も、学生と社会人という立場の違いもあって、簡単なことではありませんが、ノウハウの共有という意味で、やはりメリットは大きいですね。体制は徐々に整ってきました。

それから、社会人の活動としては、いろんなアイディアに優先順位を付けて、今年は3つのことにフォーカスして取り組んでいくことにしています。一つは、季刊誌「New Beginning」の発行。雑誌を作るんです。これはすべての活動の機軸で、MPIのビジョンである「プラットホーム構想」に直結するものです。

具体的には、我々自身が行なう学習活動、たとえば社会で活躍されている方々をインタビューしたり、注目すべき企業や業界の動向を分析したり、論文を書いたり、ということをコンテンツにして発信します。言ってみれば、MPIの学生がしていることを、社会人である我々も続けていくわけです。そうやって内部に多様なナレッジやアイディアを蓄積しながら、それを外部に発信していく。世の中にNew Beginningを生み出すための情報発信です。勿論、最初はごく小規模になるでしょうが、発表の場があるということは目的意識を高めますから、自律的に、有意義に活動していけると思っています。

二つ目は、「MPI東京」の設立。東京の学生の間にもMPIムーブメントを起こすわけです。やはり東京には人が集まっていますし、組織基盤の確立のためには、我々のような社会人だけでなく、京都・福岡と並ぶような学生組織としてのMPI東京が必要だと考えています。これは現在、綿密なプランニングを行なっているところです。

三つ目は、これは少人数でしていることですが、人材開発のフレームワーク作りです。人材開発とはMPIの目的でもありますが、ただ何となく頑張れ、頑張ろう、というのではなくて、どのような経験が人をどのように成長させるのか、たとえばインターンシップにはどのような効果があるのか、MPIでフォーラムの報告者を務めることはどんな能力を向上させるのか、というように、きちんとした分析をした上で、皆が成長できる場としてのMPIの意義をいっそう高めていく施策を立案したいと思っています。

――三つに絞られてはいるものの、容易ではない施策ばかりのように思えます。

それは、新しいことを1から始めるわけですから、基本的にトライアル・アンド・エラーだと思います。そもそものMPIの立ち上げだってそう。これまでの活動にしても、やはり試行錯誤の連続です。それでも、一日一日の少しずつの積み重ねによって、MPIは着実に前に進んで来ましたし、進んで行けるんです。もっとも、今年はどこまで行けるかという一定の指針は必要ですから、それについて言えば、今年はまず「これから何をするべきか」ということが明確かつ具体的にわかる状態、そして完全な成功形ではなくても、活動のモデルがちゃんと存在するという状態に達することを目指します。土台を築くというのはそういうことです。

■自分の運命を自分でコントロールする

――それにしても、仕事のある社会人が、空いた時間にすることとしては大変そうな印象を受けますが。

勿論、努力が必要です。最終的には、私も含めて個々人の自覚によりますね。ただ、忙しい忙しいと言って仕事に追われているだけでは、MPIに限らず、家庭を持つことも、子育ても、何もできません。

私が強く思っているのは、社会人になるということは、学生時代に語ってきた夢を、夢物語で終わらせるのではなく、実現する場に踏み込んだのだということです。そのための戦いは既に始まってる。学生時代は準備期間で良いですが、社会人になれば、その瞬間から毎日が戦いなんです。

そういう、自分の夢のための戦いの中で、何の努力もせず、自分に対する投資をせず、現状に流されて会社や組織の枠にはまり込んでいたら、知らず知らずの内に、その枠を一歩も超えられない人間になってしまう。淡々と、悪い言い方ですが、会社の奴隷のようなサラリーマンの日々を送るだけになってしまう。

私はそうはなりたくないし、MPIのメンバーも同じです。自分の運命を何かに流されて決められるのではなく、自分でコントロールしていくために、長期的な視野に立って自分自身に投資しなければならない。それがMPIで活動するということです。

ですから、このような自覚を、私を含めてメンバー個々人が持つことが必要で、そのために私自身が心掛けていることは、自らがその自覚を行動で示すこと、周囲に訴えかけていくことです。

――いま、「自分の運命を自分でコントロールする」と言われましたが、どういうことでしょうか。

私の夢は、MPIのメンバーにはいつも話している通り、日本を変えたい、日本をもっと良い国にしたい、夢を見ることのできる国にしたい、ということです。その自分の目標から自分の現時点まで逆算してみて、何が出来るようにならなければいけないかを考えるんです。それはもう、多過ぎます。しかもその99%を、今の自分は出来ていないと思う。そう思うからこそ、私は努力するんです。何が何でも成長したいという思い、ここで立ち止まったら駄目だという危機感、それを強く感じるからこそ、頑張ろうと思うんです。

まだ社会人になって3年目ですけど、これまでの社会人人生について思うのは、学べる機会は幾らでもあるのに、それを自分は100%活かすことができていないということです。振り返ってみて気付くんです。いつ、どんなときにも、どんな場面でも、必ず何か学び得ることがある。それを常に見出すのは簡単ではないでしょうが、自分の頭でしっかり考え、主体的に行動していれば、いつでも何かを学んでいけるはずなんです。そして、そうやって常に学んでいくことで、一歩一歩、夢に近づいていけるはずなんです。ですから、主体的・自律的であること、それが「自分の運命を自分でコントロールする」ということです。

■情熱を駆り立てるもの

――平山さん個人のことについてお聞きしますが、あなたの夢は「日本をより良い国にすること」ですよね。そういう思いは、いったいいつ頃から?

遡れば随分昔、アメリカに住んでいた小学校4、5年生の頃です。日本人ということで同級生にいじめられて。よし、日本をアメリカに負けない国にしてやる、と。原体験ですね、それが。

――その夢は、それ以来ずっと抱き続けている。

ええ、そうです。ただ一時期、歌手になりたいと思ったこともありましたけどね(笑)。才能が無いことに気付いて、やめました。でもそのときも、歌手として有名になってから政治家になろう、なんて思ってましたよ(笑)。

――真面目に答えてくださいね(笑)。世の中を動かすとか、国のためにとか、やはりスケールの大きな話ですよね。そういう思いって、どこから来るんでしょうか。

一つには、やはり人間には自分自身ではどうしようもできないような、与えられた条件というのがあって、その中で我々は生まれて、生きていくわけですよね。たとえば経済とか、電気とか水道とか、教育とか、我々の日常生活を支えているものがある。それをコントロールしているのは、いろんなものがありますけど、最終的にはやっぱり政治です。一国の政治はその国の人々の生活を背負っていますし、現在だけでなく未来も背負っているんです。そうして背負われてる現在と未来の中で我々は生きていく。

そこで先程の「自分の運命をコントロールする」という話ですが、自分の未来を、おかしな形にコントロールされて納得できますか。できないでしょう。やっぱり自分の求める生活がしたい、自分の求める未来を手に入れたい、皆そう思うはずです。ただ、それを背負うのは難しい。おそろしいくらいの責任の重さがあります。それでも、私は背負っていきたいし、背負うに値する人間になりたいんです。

――ある意味では、究極の自己実現ということでしょうか、それは。

ええ、自己実現と言うと身勝手に聞こえるかも知れませんけど。国とか世の中というものは、やっぱり自分自身とつながってるからこそ、愛着を感じられるわけでしょう。「無の思想」みたいな言い方になりますが、人は誰でも死んでいくし、自分もいつかは死んでしまって、地上から消えてしまいます。そこに唯一、自分の生きてきた証を残せるとすれば、それは自分の子供であり、子孫であり、自分の関わった世の中であり、社会であり文明であるわけですよね。

私は自分の人生の証を、やっぱり良い形で残したいと思うんです。死んだ後で後ろ指さされたくない(笑)。「あいつは良い奴だったね」と言ってもらいたい。そのためには、まわりの皆の幸せを願い、皆を幸せにするように努めることです。それが自分自身の幸せであり、夢なんです。

――そのための活動が、一歩一歩、前に進んでるんですね。

そうですね。まだまだこれからですが、MPIは必ず、着実に前に進んでいきますよ。


【プロフィール】
10~17歳までアメリカで暮らす。帰国後、京都大学在学中の1999年にMPIを創立、初代代表。2001年、米コンサルティング大手のベイン・アンド・カンパニーに入社。株式会社リクルートを経て、現在、カート・サーモン・アソシエイツ アナリスト。

※この記事は2003年8月発行のMPI季刊誌『New Beginning』創刊準備号に掲載(肩書き等は当時)。

date: 2003.09.03

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